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ペイズリーと共に歩んだエトロの歴史

今でこそラグジュアリーブランドとして世界中にファンの多いエトロですが、実は今の様なファッションブランドとして確立するまではテキスタイルやホームコレクション向けのブランドだったのです。 そんなETRO（エトロ）はどのようにしてブランドとして今の地位を築いたのでしょうか？ 創業からの歴史を振り返ってみましょう。

代名詞「ペイズリーパターン」の誕生秘話

(出典:https://www.etro.com/) ETRO（エトロ）の創業者は、ジンモ・エトロ。
1940年にミラノに生まれ、織物工場を営む家であったため建築家になる夢を諦め家業の織物工場を継ぎます。
この織物工場を継いだことにより、今のエトロが生み出されるのですがそれは先の話であり、まずは斬新なテキスタイルを創り出す才能を開花させテキスタイルの評価によって工場は飛躍的に成長していきます。

そしてエトロの代名詞にもなっているペイズリーパターンですが、ブランドとしてETRO（エトロ）が確立する前に出来上がりました。
それは祖母が愛用していたアンティークのストールに描かれていたカシミール模様に対して衝撃を受けたことから始まります。
この模様が既に存在していないこと知ったジンモ・エトロは、自分でそのカシミール模様を復活させるためにカシミールの歴史、織り方、織るための機械の開発などに情熱を注ぎ、カシミール模様をよみがえらせることに成功したのです。

このカシミール（ペイズリー）を復活させるために1968年に立ち上げた会社がエトロであり、ペイズリーパターンがイタリアの富裕層の間で話題になったことでテキスタイルメーカーとして圧倒的な評価を得ることになりました。


(出典:https://www.etro.com/) ETRO(エトロ）というブランドが誕生したのは1981年。
テキスタイルメーカーという立場からホームインテリア領域に進出し、ペイズリーパターンのソファーやカーテン、絨毯などが富裕層や貴族の間で大ヒット。エトロのインテリアがステータスになるほどこぞって注文されるほどでした。
当然日本にもその勢いは飛び火し、1980年代はエトロのホームインテリアは高級インテリアの代名詞にもなったほどです。

ファッションブランドとしてETRO(エトロ)へ

(出典:https://www.etro.com/) 1981年にETRO（エトロ）ブランドとしてホームインテリア分野へ進出した後、エトロはファッション分野へも進出したいと考えていました。
その中心的な役割を果たしたのが、ジンモ・エトロの次男であるキーン・エトロ。

1980年代後半には多色織りのジャガードに塩化ビニールコーティングを施したペイズリーパターンのバッグを発表し、バッグを完成させ、スカーフやネクタイ、ストールなど小物類、香水などを含めたアクセサリーなどのアイテムを発表します。

これらのアイテムは飛ぶ鳥を落とす勢いで売れ続け、この勢いにのってトータルラグジュアリーブランドを目指し、プレタポルテラインへと進出していったのです。

キーン・エトロは1990年にエトロのアートディレクターとなり、イメージ戦略を統括。
1997年にはメンズ・レディースを統括するクリエイティブディレクターとなり、1997春夏にミラノで初のウイメンズコレクション、1997秋冬ではメンズコレクションを発表することとなります。
2000年からはキーンの妹であるヴェロニカ・エトロがウイメンズを担当しています。

イタリアンブランドは創業者による家族経営を行う事が多いですが、エトロもジンモ・エトロの4人の子供ヤコポ、キーン、イッポリト、ヴェロニカの4人によって経営されています。

キーン・エトロがアートディレクターであり、メンズのクリエイティブディレクター。
ヴェロニカ・エトロがウイメンズのクリエイティブディレクター、長男のヤコポ・エトロはアクセサリー＆レザーコレクションとホーム＆テキスタイルコレクションのクリエイティブディレクターを務め、さらにコミュニケーション部門の統括も行っています。
三男のイッポリト・エトロはCEOを務め、エトロ全体の指揮を執っています。

ファッションブランドですので、クリエイティブディレクターであるキーンやヴェロニカに注目が集まりますが、4人の子供たちがそれぞれの役割をしっかりと果してエトロを運営しています。


カシミールを復活させ、ペイズリーというエトロの代名詞を生み出し、テキスタイルからホームコレクション、そしてファッションへの進出。
エトロの歴史は、ペイズリーパターンを中心に世界中のセレブを様々な領域で魅了し続けています。

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この記事を監修しているのは？

ラグジュアリーブランド・ハイファッション調査部門

ラグジュアリーブランドやハイブランドでの勤務経験者、雑誌編集者、とにかくラグジュアリーブランドやハイブランドが好きなメンバーで編成。
好みや主観が入ったり、否定的な意見が存在するのは、ハイブランド.comの味であり、外部からの影響から独立しているからこそ出来ること。
世の中のトレンドや流れを敏感に察知し、常に新しい情報を発信出来るように奮闘しています。

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