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独自のDNAを継承するモスキーノの歴史

MOSCHINOの歴史 第1章 創業 フランコ・モスキーノ時代

　 MOSCHINO（モスキーノ）は、1983年にフランコ・モスキーノによって立ち上げられたブランドであり、ハイブランドとしては比較的歴史も浅く、独自の世界観を持つブランドとして有名です。
そんなモスキーノがどのような軌跡をたどって今に至るのかブランドの歩みを見ていきましょう。

創業者のフランコ・モスキーノは、1950年にイタリアのアッビアテグラッソで生まれ、なんと14歳から高級仕立て服のイザベラ・モイランディで修業をし、さらにミラノで美術を学ぶことによって学生時代を過ごします。
卒業後はジャンニ・ヴェルサーチェの元ヴェルサーチェで6年間イラストなどを担当し、カデットで6年デザイナーを担当することになります。

こうしてファッション業界でのキャリアを積み重ねたフランコ・モスキーノは満を持して1983年にムーンシャドウ社を設立し、ミラノでレディースのファーストコレクションを発表しました。さらに1986年にはメンズコレクションも発表しました。
これがMOSCHINO（モスキーノ）というブランドの始まりです。

現在のモスキーノを見ても分かると思いますが、デビュー当初からモスキーノのコレクションはとてもユニークでシャネルのパロディをたびたび発表したことで有名になり、80年代のイタリアではモスキーノ旋風を巻き起こしました。

デビューして間もない1987年にはカジュアルラインのモスキーノジーンズ（現ラブモスキーノ）、1988年にセカンドラインのチープ＆シック（現ブティックモスキーノ）を立て続けに立ち上げ、ミラノにショップをオープンするなど順風満帆の滑り出しだったのです。

MOSCHINOの歴史 第2章 継続 ロッセラ・ヤルディーニ

　 1994年にフランコ・モスキーノが死去し、その後は1981年からコンビを組んでいたロッセラ・ヤルディーニがクリエイティブディレクターに就任し後を継ぎます。

ロッセラは、1970年代にブティックPomeriggio（ポメリッジョ）をオープンし、トラサルディのアパレル、レザーグッズデザインに携わり、ボッテガ・ヴェネタでも経験を積んだデザイナー。
1981年からモスキーノに加わり、フランコ・モスキーノと共にブランドを支えてきた人物。

ロッセラ時代はブランドMOSCHINOとしては比較的地味な時代ではありましたが、フランコの創り上げたブランドの世界観を踏襲していきました。

1999年にフランコ・モスキーノの創業したムーンシャドウ社は、アルベルタ・フェレッティの設立したイタリアのアエッフェグループに買収されましたが、ブランドとしては逆に安定し靴の製造は同グループのポリーニが手掛けるなど基盤としては盤石化しました。

2006年にはトリノオリンピックのオープニングセレモニーのデザインを行い、2010年には「メゾン モスキーノ」というホテルをオープン、2011年にはイタリアのインテリアブランドKartell（カルテル）とコラボレーションしてシューズを発表するなど活動の幅を広げています。

MOSCHINOの歴史 第3章 変革 ジェレミー・スコット

(出典:https://www.versace.jp/) モスキーノを語る上では欠かせない存在となるのが2013年にロッセラの後を継ぎクリエイティブディレクターに就任したジェレミー・スコット。

ジェレミー・スコット自身も1997年に自身の冠のついたブランドを立ち上げており、そのエキセントリックで独創的な作品が高く評価されていたデザイナー。賛否両論はありますが、多くのセレブリティからの支持を得ており、本人自身もポップアイコンとなっているほどです。

まさにモスキーノのもつDNAを引き継ぐにはぴったりのデザイナーであり、その特徴や伝統に対してオリジナリティをもって再解釈し、新しいモスキーノを生み出すにはこれ以上ない人選といっていいほどです。

ファーストコレクションでは、マクドナルドのカラードレスやチョコレート「ハーシーズ」のドレス、アニメ「スポンジボブ」のウェアなどポップアートのようなユーモアあふれるデザインで観衆を魅了しました。
もちろんこうしたスタイルに関しては批判が出ることは当然のことですが、ジェレミーが気にしているのは批評家の評論ではなく、一般の人々の反応だけというカスタマーファーストなので、自分自身のスタイルを貫くという意味でもモスキーノの世界観をしっかりと引き継いでいます。

2015年からはテディベアが登場し、その後のコレクションでもモスキーノのアイコンとなり、定番キャラクターとしての地位を確立しています。
ジェレミー・スコットによりモスキーノは若者受けする人気ブランドへと完全に生まれ変わったと思います。

ハイブランド業界ではトップブランドであっても浮き沈みが激しいですが、ファンからすると独自性のあるモスキーノコレクションを続けていってほしいものです。

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この記事を監修しているのは？

ラグジュアリーブランド・ハイファッション調査部門

ラグジュアリーブランドやハイブランドでの勤務経験者、雑誌編集者、とにかくラグジュアリーブランドやハイブランドが好きなメンバーで編成。
好みや主観が入ったり、否定的な意見が存在するのは、ハイブランド.comの味であり、外部からの影響から独立しているからこそ出来ること。
世の中のトレンドや流れを敏感に察知し、常に新しい情報を発信出来るように奮闘しています。

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