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ファッションと香りの関係

ファッションブランド「ディオール」とフレグランスの関係

（出典:http://www.dior.com/） クリスチャン・ディオールというとオートクチュールをはじめとするファッションがとても有名ですし、最近ですとレザーアイテムも人気になっています。
しかし、忘れてはならないのがフレグランスでディオールがメゾンを立ち上げた翌年の1947年からすでに香水の生産をスタートさせているのです。

クリスチャン・ディオールというとニュールックという言葉が出てきます。
ニュールックというのは、クリスチャン・ディオールがオートクチュールで発表した伝説的なコレクションでまるで建築物とも言うべき構造的なスタイルをファッションに取り入れ、ウエストが引き締めた女性的なラインを強調したスタイルです。
このニュールックが発表されたときに実は香りにおいてもディオールは革命を起こそうとしていたのです。

なぜなら幼い頃からグランヴィルで花々に囲まれて育った彼は、花のことを知り尽くしていたからです。
そして、そうした花は彼のファッションへのインスピレーションも与えていたのです。



（出典:http://www.dior.com/） そうして1947年に生み出された最初の香水が「ミス・ディオール」。
ディオールの妹を讃えて名づけられた名前です。

それ以来、ディオールではドレスをデザインするのと同様にフレグランスに関しても常に革新を求め、冒険を繰り返してきたのです。

現在でもディオールのラインの名前というのは、「ディオラマ」や「ディオリシモ」など香水と同じ名前がつけられていることが多いです。
それほどディオールというブランドにとって香水というのはきってもきれないほど深く根付いているということになります。

ディオールとよく比較されるブランドとしてはシャネルがあります。
なぜかというとココ・シャネルとクリスチャン・ディオールの活躍した時代というのが同時期であるということ、そして同じようにオートクチュールのファッションを中心としたブランドであることからです。
厳密にはココ・シャネルの作り上げた女性解放のためのファッションをディオールのニュールックが覆したという図式が正しいので、ココ・シャネルはクリスチャン・ディオールを心底嫌っていたようですが。
そんなシャネルでも香水「No.5」がアメリカで大ヒットしたように香水とはきってもきれない縁があるのです。

調香師とのコラボレーション

ディオールの初代香水ミス・ディオールを作り上げたのはポール ヴァシェという調香師で、クリスチャン・ディオールの「愛のようなフレグランスをつくってほしい」という要望を叶えるために生み出した香りです。

そして、友人でもあり、20世紀を代表する調香師としても有名なエドモン・ルドニッカがディオリシモやディオラマといった香水を誕生させ、1966年に香水界に革命を起こした「オーソバージュ」も彼が生み出した香水です。


（出典:http://www.dior.com/） そして、2006年からはフランソワ・ドゥマシーがディオールのフレグランス・クリエイターに就任し、ディオールに根付くフレグランスの伝統と技術を継承します。
彼は、幼少時代を香水の聖地グレースで過ごし、名香とはなんたるかを体に染み込ませ、またそれを作り出すノウハウを体得してきました。
そんなドゥマシーであるからこそ最高の原料を提供してくれる生産者と特別な関係を構築し、ディオールに最高の香水をもたらすことが出来るのです。

香水の聖地グレースと最高の原料

「全ての香水は原料から」とフランソワ・ドゥマシーが語るほど香水にとっては原料が命です。
特にメゾン・ディオールを代表する2つの花「ローズ ドゥ メ」と「ジャスミン」は絶対にグレース産であることにこだわりました。
そして、最高級の原料を生産するドメイン ドゥ マノンとの優先的パートナーシップを築き上げたのです。

香水の作るのに必要な原料がどれくらい必要かご存じですか？
たった1kgの精油をつくるのに3000kgのローズ、600kgのジャスミンが必要になり、花の本数にすると600万本というとてつもない数字になります。
これだけの量の良質な花を入手しようとすると当然ですが、生産者との関係や産地というのがとても重要になってくるのが分かるでしょう。

ローズ ドゥ メ

（出典:http://www.dior.com/） グラースで栽培されるセンティフォリア ローズは、5月に開花することからローズ ドゥ メ（メ＝5月）とも呼ばれ、ミモザにも似た繊細ながら濃密な、特徴的な香りを放ちます。クリスチャン ディオールの象徴として、いくつものクリエイションに調合されています。特にジャドール ローではその甘美な存在感が際立っています。

ジャスミン

（出典:http://www.dior.com/） 女性らしい優しさの象徴として、調香に非常に多く使われる花のひとつです。その繊細な香りは、単独でも完成したフレグランスと呼べるほど。ミス ディオール、ジャドール、グラン バル、そしてディオリシモのハートノートに調合されています。

ファッションブランドとしてデザインへのこだわり

（出典:http://www.dior.com/） 素晴らしい香りにはそれに見合うだけの素晴らしいボトルを与えたいという想い。
その想いを実現するためにファッションとジュエリーを融合させたような芸術的なボトルというのがディオール・フレグランスの特徴となっています。

こうした芸術的なボトルを感性させるための研究にも力を入れています。
革新的なボトルを生み出すためにフランス、日本、中国に研究所を設置し、様々な専門分野を持つ研究員が日々切磋琢磨をし、さらにスタンフォード大学をはじめとした世界の名門大学との共同研究も行っているのです。

ディオールを代表するボトルとして、ミス・ディオールの千鳥格子が彫り込まれたもの、ディオール・アンフォラやオーソバージュの火薬入のような独特のフォルム、プワゾンの薬瓶型のボトルなどがあります。
さらにバカラとディオール・ファインジュエリーのコラボレーションから生み出されたゴールドネックレスをあしらったボトルは世界に8本のみという希少さで宝石といってもいいくらいのものです。

香りにおいても原料から製造工程、調香に至るまで完璧を最高であり、完璧であることを追い求め、それを詰めるボトルにも芸術ともいえる最高のものを追求しているのです。


ディオールの香水に対するこだわりは素晴らしいです。
ファッションブランドとしても、フレグランスブランドとしても超一流であることは間違いありません。

→「ディオールの評価と概要」に戻る

この記事を監修しているのは？

ラグジュアリーブランド・ハイファッション調査部門

ラグジュアリーブランドやハイブランドでの勤務経験者、雑誌編集者、とにかくラグジュアリーブランドやハイブランドが好きなメンバーで編成。
好みや主観が入ったり、否定的な意見が存在するのは、ハイブランド.comの味であり、外部からの影響から独立しているからこそ出来ること。
世の中のトレンドや流れを敏感に察知し、常に新しい情報を発信出来るように奮闘しています。

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