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ヌメロ ヴェントゥーノ Overview

イタリアンモードの巨匠が手掛けるファーストライン『N°21』

　 N°21というロゴを見かける事が多くなってきたと思いますが、まず困るのがこれ何て読むの？
という事だと思います。

読み方は「ヌメロ ヴェントゥーノ」が正解です。
イタリア語でNumero（数）、Ventuno（21）という意味になります。

ヌメロ ヴェントゥーノは、イタリアの大物デザイナーであるアレッサンドロ・デラクアが2009年に立ち上げたブランドで、名前くらいは聞いたことのある有名なデザイナー。
彼のラッキーナンバーでもあり、誕生日の数字でもある21と新しい時代（21世紀）をミックスしてN°21（ヌメロ ヴェントゥーノ）というブランド名が名づけられました。


　 元々自身の名前を冠したブランドAlessandro dell Acqua（アレッサンドロ・デラクア）で注目を集めていたデラクアのファーストラインだけにデビューと同時にすぐに世界各国で人気となっています。
特にレースというフェミニンな素材を使用しつつも、スポーティーなスタイルというのがストリートにマッチし、斬新で新しいラグジュアリーというものを定義したブランドでもあります。

イタリアの巨匠らしいシャープなテーラリング技術と新しい時代に適応する感性がまさに今の時代にぴったりの粋なブランドでしょう。

また、価格帯も高すぎるというわけでもなく、高級ではあるのですが頑張れば手が届く価格帯になっているアクセシブルなラグジュアリーです。
この絶妙な価格設定もファン層を広げる要因となっています。


　 メンズラインやキッズラインなども拡充しており、家族で小粋なファッションを楽しみたいというブランドとしてもおすすめです。

本物のラグジュアリーストリート「モード×スポーティー」

　 ヌメロ ヴェントゥーノの特徴的なデザインというと一番目を引くのは、トップスやバッグなどに大きくプリントや刺繍された「N°21」のロゴデザイン。

この分かりやすいロゴデザインがストリートで受けており、全体的なスタイルもモードとスポーティーをミックスしたような絶妙なバランス感覚を持っているので、本当の意味でラグジュアリーストリートと言えるかもしれません。


　 アレッサンドロ・デラクアはファッション業界へのデビュー当社はニットを手掛けるデザイナーでしたし、ヌメロ ヴェントゥーノはレースやシースルーなどのレイヤードアイテムをスポーティーにMIXしたスタイリングで一気に人気に火が付きました。
シャープなテーラリングにも定評がある正真正銘のイタリアンモードの大物なので、クチュールの魅力を現代的に解釈してヌメロ ヴェントゥーノのスタイルが生み出されています。

一般的なラグジュアリーストリートブランドがストリートスタイルを素材や工程にこだわることでラグジュアリーに寄せているのに対し、ヌメロ ヴェントゥーノの場合はラグジュアリーそのものをストリートに寄せているようなイメージ。
発想の起点が違いますし、デザインアプローチそのものが違うという感じはします。


　 もうひとつの特徴と言えるのは、コントラスト（対比）のマジックです。
モードとストリートという相反する要素をミックスさせるということもそうですし、美しいカラーバランスやジェンダーレスなデザインに関してもそうです。

素材に関してもレース素材とナイロンやネオプレンのようなハイテク系の素材を組み合わせたり、伝統的な刺繍やクラシックなギンガム柄にこだわったりとモダンデザインとクラシカルなバロック調のデザインをミックスさせるということもあります。

デザイン哲学としてこうしたコントラストをとても重視していて、そこから紡ぎだされるデザインというのがアートピースのような存在感を放つ。
これがアレッサンドロ・デラクアのマジック、ヌメロ ヴェントゥーノの魅力といえるでしょう。

アレッサンドロ・デラクア × N°21の歴史

　 N°21（ヌメロ ヴェントゥーノ）の歴史を語るという事は、そのままアレッサンドロ・デラクアの歴史を語ることに直結していきます。

1962年にイタリアのナポリで生まれ、ナポリの名門美術学校アッカデミア・ディ・ベッレ・アルティでグラフィックを専攻し、創業した後はイタリアの老舗繊維企業マルゾットグループでファッション業界のキャリアをスタート。

1987年にはニットウェアデザイナーのピエトロ・ピアンフォリーニのチーフデザイナーに就任します。
ヌメロ ヴェントゥーノではニットのアイテムが多いですし、アレッサンドロ・デラクア自体もニットアイテムが大好きだと公言していますが、この頃の経験というのが非常に活きています。
その後はGENNY（ジェニー）でマリッジコレクションを担当し、様々なブランドを経験することになります。

1994年に独立を果たし、ついに1996年に念願の自身の名を冠したアレッサンドロ・デラクアでレディースラインをスタートさせます。
デビュー直後からファッショニスタの間で支持を集め、メンズライン、ホームウェア、ビーチウェア、シューズライン、などを展開していきます。


　 2001年に皮革ブランドのボルボネーゼのクリエイティブ・ディレクターに就任し、2003年にはアレッサンドロ・デラクアというブランドはアーペルグループの傘下に入ります。
2008年にはアーロのクリエイティブ・ディレクターに就任も、翌年には退任し2010年にミラノファッションウィークにて新ブランドN°21（ヌメロ ヴェントゥーノ）を発表したのです。


　 日本への展開は意外と早く、2011年よりグルッポタナカを通じて本格的に展開を開始しており、日本での流通の多さはこうした早期の日本進出が背景にあります。
また、2014年からはメンズラインも開始し、さらに表参道に世界初となるフラッグシップショップをオープンし、2016年からはキッズラインにもコレクションを拡充しています。

アレッサンドロ・デラクア自身は、2011年にブリオーニのデザイナーになり、さらに2014年からはRochas（ロシャス）のクリエイティブ・ディレクターも兼任（2019年に退任）するなど大忙しです。

日本とも縁の多いN°21のコラボレーション

そこまで積極的にコラボレーションをしているブランドというわけではありませんが、ブランド創業からかなり早いタイミングで日本進出をしていることから日本と所縁のあるコラボレーションを行っています。
コラボレーションではコラボ先の価格帯もあり、比較的安価なコレクションもあることから今後行われるコラボも見逃せません。

東京オリンピックを記念したFILA（フィラ）コラボ

　 スポーティーなスタイルが人気を博しているN°21（ヌメロ ヴェントゥーノ）ですが、意外とスポーツブランドとのコラボレーションというのはなく、スポーツブランドとのコラボレーションは予てから願っていたこと。

日本で2020年にオリンピックが開かれる（新型コロナウイルスにより延期）のを記念して開催国である日本限定でFILA(フィラ)とのコラボレーションを行いました。


　 コレクションのテーマは「ダイバーシティ」でもともとジェンダーレスなデザインを手掛けるヌメロ ヴェントゥーノからすると人種や性別、肌の色、年齢など何も気にせず誰もが気軽に楽しめるというファッションはお手の物。
N°21とFILA、両方のロゴが配されたTシャツやパーカー、スエットなどのトップスやスニーカーなどおしゃれなデイリーユースにぴったりのスポーティーなアイテムが揃いました。

イタリアンブランド同士の業界を超えた競演

同じイタリアの家具ブランドKartell（カルテル）ともコラボレーションを続けています。
カルテルというのはプラスチック家具のトップブランドとして50年以上の歴史を誇る名門。


　 第1弾となったコラボレーションサンダル「Knot（ノット）」は、発売後すぐに売り切れるほどの大人気となりました。
光沢感のある100％リサイクル可能なプラスチック素材を使用したリボンのモチーフは、プラスチックなのにしなやかでヌメロ ヴェントゥーノらしいフェミニンさとカルテルらしいキレのあるスタイルが融合した秀逸な作品。
インソールに入った#n21loveskartellのロゴがさりげなく、プレミア感を演出しています。


　 第2弾となったのは長靴「Bob（ボブ）」で、アッパーの部分のローファーのようなディテールやバックスタイルに大きく入ったロゴというのは魅力的でこれはこれでいいのですが、ノットと比べると使えるシーンが少ないので人気の面ではノットに軍配が上がります。

限定50個という超プレミアBABY－Gの発売

　 2014年に表参道フラッグシップショップオープンを記念して、カシオのBABY―Gとのコラボレーションも実施しました。

BABY―G（ベイビーG）の復刻モデルBDG-501をベースにして、オリジナルの格子柄のグラフィックをストラップにプリントしたモデルを発売。
BABY―Gだけに衝撃にも強く、水にも強い防水仕様なのでいつでもどこでも使えるのは嬉しいところ。

わずか16,000円という価格で限定50個の販売だったので手に入った人は本当にラッキーです。


N°21（ヌメロ ヴェントゥーノ）は、イタリアンモード界の巨匠であるアレッサンドロ・デラクアのブランドでありながらスポーティーなストリート要素も備えた類まれなセンスを持つブランド。

時代のトップランナーであることはもちろんですが、年齢や性別といった様々な垣根を超えて楽しめるブランドでもありますので家族、仲間でヌメラ―になりましょう。

この記事を監修しているのは？

ラグジュアリーブランド・ハイファッション調査部門

ラグジュアリーブランドやハイブランドでの勤務経験者、雑誌編集者、とにかくラグジュアリーブランドやハイブランドが好きなメンバーで編成。
好みや主観が入ったり、否定的な意見が存在するのは、ハイブランド.comの味であり、外部からの影響から独立しているからこそ出来ること。
世の中のトレンドや流れを敏感に察知し、常に新しい情報を発信出来るように奮闘しています。

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