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クリエイティブ・ディレクター サンドラ・チョイ

オートクチュールとプレタポルテ

ジミーチュウがマレーシア出身の靴職人ジミーチュウと元ヴォーグの編集者タマラ・メロンによって立ち上げられたということは広く知られていることだと思います。

しかし、みなさんが知っているジミーチュウはいうブランドは、もともと靴職人ジミーチュウが手がけていたオートクチュールとは違い、そのデザインを広く浸透させるために立ち上げたプレタポルテラインなのです。

ジミーチュウという企業（プレタポルテ）が設立されたのは1996年で、その10年ほど前からジミーのオートクチュールは開設されていました。
そして、プレタポルテの開始からわずか6年後の2001年にはジミーはプレタポルテラインから離れ、オートクチュールに専念しているのです。
この意味することは、ブランド「ジミーチュウ」にジミーチュウはいないということです。

実はジミーはプレタポルテ立ち上げ当初から、自身のオートクチュールとの掛け持ちを続け、あまりプレタポルテのデザイン活動には関与していませんでした。
では、一体誰がジミーチュウのデザインを行ってきたのかというとジミーチュウの姪にあたるサンドラ・チョイなのです。

サンドラ・チョイってどんな人？

（出典:http://www.jimmychoo.jp/）

ジミーチュウのクリエイティブ・ディレクターは、1996年の設立当初からサンドラ・チョイなのです。
意外と思われる方もいらっしゃると思います。
当然ジミーチュウがクリエイティブ・ディレクターを担っていると思われていた方も多いでしょう。

クリエイティブ・ディレクターというのは、ブランドのデザインの中枢を担う人物なのでまさに花形、ブランドの中心です。
そんなサンドラ・チョイとは、どんな人物なのでしょう？

サンドラは、ジミーチュウの姪にあたりますが血が繋がっているわけではありません。
ジミーの奥さんレベッカの姪にあたります。
イギリスのワイト島に生まれ、生後すぐに香港の祖父母のもとに預けられたサンドラは13歳まで香港で過ごします。
ワイト島に戻った時のサンドラは、かなり奇抜なパンクガールになっていて、驚いた両親は修道院付属の学校に入学させました。

思えば香港時代にサンドラの美的センスは養われていたのでしょう。
17歳でファッションの道へ進学したいと両親に希望しましたが、反対にあったため、ロンドンにいるおばのレベッカのもとに転がり込んできたのです。

そして、セントラル・セント・マーティンズに入学しましたが、ジミーの仕事を手伝っているうちに多くのセレブやスターが訪れるジミーの仕事を本格的に手伝いたいと思うようになり、学校をやめフルタイムでジミーの手伝いを始めました。

サンドラがジミーの工房を手伝うことによって、小汚かった工房が垢抜けた雰囲気になったという効果もありました。

クリエイティブ・ディレクター「サンドラ・チョイ」

（出典:http://www.jimmychoo.jp/） サンドラ・チョイがどうしてジミーチュウのクリエイティブ・ディレクターになったのでしょう？
その理由にはいくつか挙げられます。

1つめに挙げられるのは、ジミーのもとで修行をしたことによって、もともと持っていた天性のファッションセンスに加えて、オートクチュールの靴作りのノウハウを徹底的に身に付けることが出来たこと。
学校を辞めてまでジミーの工房で働くことを選択し、魔法の靴を作るジミーの技術を間近で見て、教えられ、そして盗むことが出来たのです。

2つめにジミーとが忙しかったこと。
ジミーはプレタポルテを立ち上げてからもオートクチュールの仕事を続け、オートクチュールにばかり目を向けて忙しさもあり、プレタポルテの仕事にあまり時間がとれませんでした。
さらに靴作りが本職の彼はデザイン画を描くということも苦手だったのです。

ビジネスに対する姿勢がタマラとはそりが合わず、いつも喧嘩ばかりしていた間に入ったのが、サンドラでした。
タマラからデザインのアイデアを聞いて、それをスケッチに起こすとことをしていました。

3つめはタマラとの相性がよかったこと。
タマラは創業者のひとりであり、ジミーチュウ成功の立役者です。
そんなタマラとの息がぴったりでお互いの個性の違いを発揮し、2人で作るコレクションの幅を広げることが出来ました。
クールなスタイルを好むサンドラと上品スタイルで統一感を演出するタマラのスタイルがマッチし、とてもバラエティに富んだスタイルを生み出すことが出来たのです。

靴を一足一足作るよりもコレクション全体を生み出すことに魅力を感じたサンドラがトムからクリエイティブ・ディレクター就任を打診され、それを受けることは必然だったのです。

→次は、「大躍進を続ける21世紀のトップブランド」

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ラグジュアリーブランド・ハイファッション調査部門

ラグジュアリーブランドやハイブランドでの勤務経験者、雑誌編集者、とにかくラグジュアリーブランドやハイブランドが好きなメンバーで編成。
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